岡山県の首部(こうべ)にある「白山神社」は、地元地域の暮らしの中に溶け込んだ、まるで隠れスポットのような神社です。
高い木々に包まれた静寂に佇むこの白山神社は、古くから伝わる神話や伝説と深い関わりを持っています。
日本神話に登場する二神の神様を御祭神とし、数々のご利益を受けられる他、桃太郎伝説や温羅伝説に登場する鬼の首を晒したとされる場所も境内に残されています。
そのため、神社自体の規模はさほど広くないものの、多くのご利益とパワースポットに惹かれた人たちが度々訪れる特別な場所となっているのです。
この記事では、白山神社のご利益や歴史、訪れるべきパワースポットなどについてお伝えしていこうと思います。アクセス方法もご紹介しているので、ぜひ参拝の参考にしてみてくださいね。
白山神社は「しろやま」ではなく「はくさん」神社と読みます。
白山神社とは?ご利益や歴史は?
白山神社は歴史と伝説が息づく神社で、多彩なご利益を授かれることで知られています。多くの訪問者がその力強いご利益と歴史に惹かれて足を運んでいます。
特に縁結びや家内安全、合格祈願など幅広い願いをかなえるご利益があるため、年代を問わず多様な人々に愛されています。
境内には「首塚」と呼ばれる伝説の地や、独特の「構え獅子」が鎮座しており、他の神社とは一味違った魅力が詰まっているのも特徴です。
また、この神社と深い縁を持つ「桃太郎伝説」や「温羅伝説」も、訪問者にとって興味を引くポイントのひとつです。
歴史と伝説、自然が融合した白山神社で心を清め、ご利益を授かりに行きませんか?
ご利益と背景
白山神社は多岐にわたるご利益を授かれることで、多くの人々に信仰されています。
そのご利益はじつに様々で、縁結び、家内安全、航海安全、商売繁盛、五穀豊穣、合格祈願、商談成立、歯痛平癒などがあります。
「歯痛平癒」というご利益はちょっと珍しいですよね。これはその昔、最後の女性天皇として名を残す後桜町天皇が歯痛に苦しんでいた際に、女官が白山神社から持ち帰った「神箸」と「神塩」を用いたところ、瞬く間にその痛みが癒えたという故事に由来しているようです。
「歯の苦しみが散じる」という意味の語呂合わせで、「白山=歯苦散(はくさん)」などともいわれているようで、ユニークながら縁起が良いですよね。
歴史と起源
白山神社の歴史は平安時代まで遡り、加賀国(現在の石川県)にある白山比咩神社の御分霊を祀ったことがその始まりです。
建立は光孝天皇の時代、仁和元年(885年)とされ、長い時を経て地域の文化と深く結びついてきました。
また、白山神社は「桃太郎伝説」とも関連があると言われ、岡山の歴史や文化を語る上で欠かせない存在となっています。
境内にある「首塚」は、桃太郎伝説のモデルとなった吉備津彦が退治したとされる鬼・温羅(うら)の首を晒した伝説の地として有名です。
温羅(うら)の首は夜な夜な唸り声を上げ、何年にもわたり村人たちを恐怖させたという言い伝えも残されているといいます。
神社の地名でもある「首部(こうべ)」も、実はこの物語に由来していると言われているんです。
白山神社の神様(御祭神)とその伝説
白山神社の御祭神の一人は、伊邪那美命(いざなみのみこと)です。伊邪那美命は日本神話における母神であり、多くの神々を生んだことから、生命と調和を象徴する神様とされています。
神話において、生命の源泉を司る創造神として役割や、愛に溢れた母神としての側面から、家庭の平安や安産などのご利益と深い繋がりが持たれているということですね。
また、もう一人の御祭神として祀られているのは、菊理姫命(くくりひめのみこと)です。菊理姫命は、伊邪那美命とその夫である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)との夫婦喧嘩を仲裁した神様だといわれています。
「くくりひめ」の名は「縁を結ぶ」という意味を持ち、縁結びの神様として広く知られていますが、一方で縁切りのご利益も得られるということです。その理由は、上記の二柱の神様が円満に別れたことに由来しているそうです。
全国の白山神社で伊邪那美命と菊理姫命は共に祀られていることが多いのだそうです。
白山神社のパワースポットは?
白山神社には歴史と伝説が息づくパワースポットが点在し、訪れる人々を魅了します。境内全体が神聖な雰囲気に包まれていますが、その中でも特に人気のある場所をいくつかご紹介します。
境内にある「首塚」は、桃太郎伝説の鬼・温羅(うら)の首を晒したとされている場所です。
温羅(うら)の首はその後、吉備津神社の御釜殿に移されたといわれており、首塚はその原点となった場所です。2メートルほどの土が盛り上がったような土饅頭があり、そこは歴史的にも重要なパワースポットとされています。
また、かつて御神木が立っていた場所に「御神木跡」があり、そこもパワースポットとして有名です。しめ縄がはりめぐらされた結界のようになっていて、そこに手をかざすとほのかな温かさを感じられるといわれています。
私自身は残念ながら何も感じることがありませんでした(笑)が、私の友人は御神木のパワーを感じられると豪語しておりました!
白山神社を参拝するときのポイント
白山神社をより充実した体験にするためのポイントを押さえておくと、参拝がさらに楽しくなります。
石造りの鳥居をくぐり、緩やかな階段の参道を少し進むと、随神門が見えてきます。そこでは「構え獅子」と呼ばれる独特な姿勢の狛犬が出迎えてくれます。
「構え獅子」は頭を低くしお尻を高く上げた狛犬のことで、いかにも臨戦態勢といった感じの見た目ですが、じつは大人しい性格だとも言われています。また、岡山の神社でこの「構え獅子」が見られるのは珍しいです。
さらに境内の東側にはパワースポットの項目で紹介した「首塚」があり、同じく本殿の西側には「御神木跡」があります。
神社自体はそこまで規模が大きくないものの、見どころとなるポイントがいくつもあるので足を運ぶ価値は充分にありますよ。
パワースポットやユニークな見どころを楽しみながら、静かな時間を過ごしてみてくださいね♪
白山神社の場所とアクセス
白山神社はのどかな住宅地に囲まれた中にあり、地元地域に溶け込んだ、どこか懐かしさを感じさせる神社です。
具体的な場所とアクセス方法はこの通りです。
〒701-1201 岡山県岡山市北区首部236
公共交通機関を利用する場合
白山神社への最寄り駅は、JR伯備線の「備前三門駅」です。
駅から神社までは徒歩で2.3km約23分ほどの場所にあり、少し距離があるように思いますが、運動がてら足を延ばしてみるのもありかもしれません。途中、国道から住宅地へ入っていく道が分かりづらいかもしれないので、事前に地図やナビアプリなどを確認しておくと安心です。
また「JR岡山駅」からバスを利用される場合は、「国立病院線」もしくは「免許センター線」のバスに乗り、「岡山商大前」で下車。そこから650メートルほど歩けば到着できます。バスの利用料金は片道280円です。
車やタクシーを利用する場合
白山神社には駐車場がなく、また周辺の道はかなり狭くなっているため、自家用車での参拝は少し不便かもしれません。
タクシーを使用される場合は、「JR備前三門駅」からの乗車であれば10分ほどで到着することができます。利用料金は概算で片道1300円ほどです。
料金は交通状況により変動する場合があるため、事前に確認してみてくださいね。
まとめ
白山神社は、歴史と神話、そして伝説が受け継がれる岡山県の隠れスポット的な神社です。
御祭神である伊邪那美命と菊理姫命のご利益は、縁結びや家内安全、商売繁盛や商談成立など幅広く、年代を問わず多くの参拝者が訪れています。
また、桃太郎伝説ゆかりの「首塚」や、手をかざすとぬくもりを感じるとされる「御神木跡」、さらに岡山では珍しい「構え獅子」が見られるなど、境内に点在するパワースポットや見どころとなるポイントも色々とあります。
参拝時には実際にそれらのパワースポットを目で見て触れて、ぜひとも歴史や伝説に思いを馳せてみて下さい。この記事で紹介した背景を思い出しながら眺めるだけで、また特別な発見を得られるかもしれませんよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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