千年以上の歴史を持つ中山神社は、美作地方の信仰を支えてきた特別な神社です。
古代から祀られる神様は、鍛冶や繁栄のご利益をもたらすとされ、地元の人々や観光客に親しまれています。
中山神社はご利益だけでなく、美しい自然や歴史ある建築物、そして心を浄化するようなパワースポットも数多く存在します。
また、猿の顔に似たちょっと珍しい狛犬を見られるのも、中山神社ならではのユニークなポイントです。
この記事では、中山神社のご利益やパワースポット、歴史や神様にまつわる話、そしてアクセス情報まで詳しくご紹介していきます。

ちなみに中山神社の狛犬はもう一対いて、「構え獅子」といわれるそちらも岡山では珍しいタイプの狛犬になっています♪
中山神社とは?ご利益や歴史は?

中山神社は岡山県津山市に位置する、美作国一宮として古くから地域の人々に信仰されてきた由緒ある神社です。
その特徴的な建築様式や深い歴史により、観光地としても多くの人を惹きつけています。
中山神社の魅力は、鍛金・冶工・農耕などの力強いご利益を得られることで、鉱業や農業に携わる多くの人々がその加護を求めて参拝に訪れています。
境内に入ると、静かな空気の中に歴史の重みが感じられ、訪れる人々を温かく迎えてくれます。
中山神社は、地域全体を守護する存在として、現代においても広く崇敬されています。
さらに、建築美が凝縮された本殿「中山造り」は、国の重要文化財に指定されており、唯一無二の価値を持っています。
また、春には例祭である御田植祭が行われ、地域の伝統行事として賑わいを見せます。
ご利益と背景
中山神社では鉱業や農耕全般のご利益があることで有名であるほか、牛馬の守護、子授け・安産、交通安全などのご利益があると言われています。
主祭神である鏡作神(かがみつくりのかみ)は、農耕の発展や牛馬の守護、さらには鉱業の加護をもたらす神様です。
そのため、地域の農家や畜産業に携わる人々を中心に、幅広い支持を集めています。
また、境内の猿神社では、牛馬の安産や子宝に恵まれるというご利益があるとされ、赤い布で作った猿のぬいぐるみを奉納する参拝者も少なくありません。
中山神社は、その背景にある長い歴史や文化的な意義も魅力のひとつです。
古くから美作国一宮として位置づけられ、地域全体の平穏や繁栄を願う拠点となってきました。
神様の力を身近に感じられる場所として、古来より多くの人々の信仰を集めています。
歴史と起源
中山神社の創建は慶雲4年(707年)と伝えられており、その歴史は1300年以上にわたります。
中山神社の社格は非常に高く、貞観2年(860年)には従四位下の神階を授かり、延喜式神名帳では美作国唯一の名神大社に列しました。
中世には美作国の一宮として地域の中心的存在となり、1017年には後一条天皇から大神宝の栄誉を受けるなど、国家的な儀式にも関わる重要な神社としての役割を果たしました。
歴史の中では幾度かの試練にも直面しましたが、その度に復興を遂げています。
例えば、天文2年(1533年)の尼子晴久による兵火で社殿が焼失しましたが、永禄2年(1559年)には再建されています。
近代には明治4年に国幣中社となり、現在も神社本庁の別表神社として地域に根付いています。
中山神社の神様(御祭神)とその伝説
中山神社には鏡作神(かがみつくりのかみ)が主祭神として祀られており、鏡を作る技術を司る神様としても知られています。
鏡は古来より神聖な道具とされ、中山神社の神様が地域の守護神として信仰を集めてきた理由も、こうした背景に由来します。
さらに、中山神社には相殿神として天糠戸神(あめのぬかどのかみ)と石凝姥神(いしこりどめのかみ)が祀られており、開運やものづくりに関するご利益を授ける神様だといわれています。
また、中山神社の神様にまつわる伝説として、「猿神伝説」という伝説があります。
『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』には、中山神社の神様が「猿神」であったという話が記されています。
この伝説によれば、猿神が毎年、未婚の娘を生贄に差し出すよう強要していたところ、東国から訪れた勇敢な男が2匹の犬を使って猿を退治したと言われています。

中山神社の御祭神に関しては、吉備津彦命や金山彦命など、複数の異説が伝えられています。そういった点も興味深いところですね。
中山神社のパワースポットは?
中山神社には訪れるだけで特別な力を感じられるパワースポットがいくつもあります。
本殿の裏手に位置する「猿神社」は地元でも有名なパワースポットで、赤い布で作った小さな猿のぬいぐるみを奉納するという風習があります。
猿神社では子宝や安産、さらには牛馬の守護のご利益があるとされています。

最近では、子どもの成長を願って猿のぬいぐるみを奉納するという風習もあるようです。
また、国指定重要文化財である本殿も、中山神社の象徴的なパワースポットです。
この「中山造り」という独特の建築様式は全国的にも珍しく、その荘厳な佇まいに心が洗われるような感覚を味わえます。
さらに、中山神社の鳥居は「中山鳥居」と呼ばれる特別な構造を持ち、高さ約11メートルもの花崗岩で作られています。
通過することで心身ともに清められ、神様とのつながりを感じられるといわれています。
鳥居の近くには「祝木(いおぎ)のケヤキ」という樹齢800年の見事な巨木があります。中山神社との歴史を刻んだ立派な木で、こちらも有名なパワースポットです。
中山神社を参拝するときのポイント
中山神社を参拝する際には、見どころや参拝ルートを押さえることで、神様のご利益や神社の魅力を存分に楽しむことができます。
まず、神社の象徴ともいえる「中山鳥居」をくぐるところから参拝が始まります。
鳥居を抜けたら、三段重ねの牛の像が並ぶ参道を進みます。
これは学問の神様、菅原道真にちなんでおり、参拝するたびに知恵を授けられるとされています。
津山城二の丸から移築されたという神門を抜けると、目の前に現れるのが中山神社の本殿です。
神様が宿る神聖な場所として、静かに手を合わせることで深いご利益を授かることができると信じられています。
さらに、本殿の裏手にある道を奥に入っていくと、猿神社の祠があります。
猿神社までの道はやや薄暗いのと、一部足元が悪い場所もあるので、明るい時間帯に行くようにしましょう。
中山神社の場所とアクセス
中山神社は岡山県津山市に位置し、のどかな住宅街と自然とが共存した場所にあります。比較的アクセスがしやすい神社だといえます。
具体的な場所とアクセス方法はこの通りです。
〒708-0815 岡山県津山市一宮695
公共交通機関を利用する場合
中山神社へ公共交通機関で行くなら、バスの利用が便利です。以下に「JR津山駅」からバスを利用した場合の一例をご紹介します。
JR津山駅からは中鉄バスの「東一宮車庫行き」に乗車します。約20分ほどで「一宮郵便局前」というバス停に到着します。
そこからは徒歩数分で中山神社にたどり着けます。神社までの道のりは整備されており、初めての方でも安心して向かうことができます。
中山神社はJR津山駅から約5kmの距離に位置しているため、バスでの移動が最も効率的なわけですが、注意点があるとすれば1日の本数がやや少ないということです。
そのため、事前に時刻表を確認するなどしてスケジュールを立てておく方が、当日スムーズに移動できると思います。

中鉄バスの最新情報はインターネットや駅の案内所で簡単に確認できますよ♪
車やタクシーを利用する場合
車を利用する場合、中山神社までのアクセスは非常にシンプルです。
最寄りのインターチェンジは、中国自動車道「院庄IC」となり、作州街道を経由するルートが最短です。
そのルートを利用して中山神社を訪れる場合、距離は約9.3キロメートル。所要時間は約15分となります。
駐車場は神社鳥居脇と南側高台にあり、無料で利用することができます。
また、津山駅からタクシーを利用した場合の所要時間は約20分ほど。料金は概算で2400円ほどを目安にしてみてください。
まとめ
中山神社は、美作地方の歴史と信仰を象徴する特別な神社です。
鉱業や農耕全般のご利益を授けてくれる神様が祀られており、鉱業や農業に携わる多くの人々がその加護を求めて参拝に訪れています。
また、境内には歴史的価値のある建築物や、子宝や安産にご利益がある猿神社など見どころが満載です。
猿の顔に似た珍しい狛犬や、神社と歴史を共にした名高いご神木などのパワースポットも多く存在し、訪れる人々に癒しを与えています。
皆さんもぜひ歴史ある中山神社で心静かなひとときを過ごし、神様のご加護を受け取ってみてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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